潜入ルポ~18歳女子大生・フリー雀荘アルバイト~③

    つづきです。

    ①②の記事はこちら。

    目次

    鷹と麻雀と私

    大学に入って初めての恋人となった鷹村。

    格闘技とバイクを愛する野生児の彼は、それまでの私の世界にはいなかった人種で、とても刺激的だった。

    『はじめの一歩』の鷹村とは違い、私が出逢った鷹村は女の扱いもうまかった。

    「俺は総合格闘家になる」と夢を語って、

    ちょっとした実績もあって、

    酒とタバコが好きで、豪快。

    かと思いきや、甘えるのも上手で母性本能をくすぐる感じ。

    2歳年上の彼がとても大人に見えたり、時には子どもに見えたり、新鮮だった。

     

    と、恋愛を語ると見せかけて、

     

    麻雀の話ね。 

     

    彼は、麻雀が好きだった。

     

    読者目線っぴー

    あ~なるほど
    そういうパターンね

     

    鷹村本人曰く、中学生の頃から打っていたらしい。

    中高とそれなりに真面目な学生生活を送っていた私には、どういった経緯をたどれば中学生が麻雀を打つことになるのか、ちょっと想像ができなかった。

    マジメっぴー

    要するに、彼はちょっと不良だったのかな!

     
    彼と付き合い始めてから、私も少し麻雀に興味を持ち始めた。

    読者目線っぴー

    あ~やっぱり
    あるあるパターンね

    ルールを教わって、彼が友達と麻雀打つ所をボーッと眺めるところから始まり、だんだんと私も打ち手として参加するようになった。

    ボクシング部の他の部員たちも彼の影響で麻雀を覚え始め、誰かの家に集まってよく打つようになった。

    覚えたての私はかなり下手くそだったが(今も下手だけど)、初心者仲間も多く、みんな似たようなレベルだったのであまり気にせず打てた。

    私は軽音サークルにも掛け持ちで入っており、そっちのつながりでもよく麻雀を打つようになった。

    紅一点っぴー

    宅打ちではいつも女子は私ひとりだったよ!

    父と麻雀と私

    鷹村と出逢うずいぶん前から、実は、私と麻雀は深い関わりがあった。

    人生で初めて「まーじゃん」という言葉を聞いたのは、おそらく物心がつく前。

    一番古い記録では、私の保育園時代の絵日記にこういう記述がある。

    きょうは
    ちちおやさんかんのひでした
    でも おとうさんは まーじゃんで
    きませんでした

    えにっき 年長さんのさっぴー著

    お分かり頂けるだろうか。

    そう、私の父は、ギャンブルの沼に落ちて家族を捨てたクズ親父だったのだ。

    お察ぴー

    表向きは、麻雀は賭けちゃダメよ。
    本来は「麻雀=ギャンブル」じゃないのよ。
    でもまぁ実態は…そのへんは察してね。

    参考映像:

    蛭子能収さんの伝説の謝罪会見
    「麻雀すっごく面白いんですよ」

    私が小学生にあがる頃には、父はすっかり雀荘やパチンコ店に入り浸るようになり、家に帰ってこなくなった。

    いつの間にか仕事も辞めていて、借金も膨らんでいたようで、最後は家の物を勝手に質屋に入れるようになっていた。

    家族の思い出の詰まった8mmハンディカムとか、婚約指輪まで質屋に持って行きやがった!

    母と私で手をつないで質屋に取り戻しに行ったけど、もう流れちゃっててムリだったよ!

    サイコっぴー

    あはは、ちょっと重い話だね!

    結局、私が9歳の頃に離婚。 

    そんな父も、元からクズだったわけではなく、心根は優しく、運動が得意で、聡明で面白い人だった、らしい。

    確かに、小さい頃父にたくさん遊んでもらった記憶もあるし、楽しそうな写真もまぁまぁ残ってる。

    悪い人ではなかったのだろう。

    ただ、彼はちょっと心が弱かったんだと思う。

    父の実家の話を聞いてると、遺伝的な要素も大きそう。

    おさっぴー

    私にもばっちり遺伝してるわよ

    父の場合は、元々壊れやすいベースがある人が、仕事や家庭の責任感とプレッシャーに押しつぶされて、非日常の世界に逃げてしまったという、まぁよくある話だね。

    家族のことは大切に想っているのに、大切にできない自分が嫌で、また苦しくなって現実から逃げてしまうという悪循環。

     

    私も、大人になってみると父の気持ちが理解できなくもない。

    というかかなり理解できる。

    父のことは心底軽蔑してるけど、私は確実に父の血を受け継いでいて、心に弱さがあるし、逃げ癖がある。

    ギャっぴー

    賭け事も好き~!

    でも、私は幼い頃に父を憎んだ経験があるから

    「私は絶対にああはならない」と思えた。

    そのおかげで、本当にヤバイ世界には足を踏み入れずに、まだ人間らしい状態で今日まで生きてこられた。

    その点では、反面教師になってくれた父に感謝。

    たとえば、私は学生時代から「パチンコとスロットにだけは絶対に手を出さない」と心に誓っていた。

    行ったら終わり。

    絶対ハマるもん。

    365日朝から晩までいつでもウェルカムというのは、非常に恐ろしいことですね。

    パチンコ屋に行ったのは、低学年の頃に父の玉拾いで連れて行かれたのが最後で、自分の意思でパチンコ屋に入ったことはありません。

    エッヘン。(誇るな)


    このような育った環境の事情があるので、私は昔から麻雀に悪い印象というか、恨みしかありませんでした。

    でもさ、恋は盲目だよね。

    普通に、麻雀に手を出しちゃったよハハハ!

    麻雀は頭使うから純粋に面白そうだったし、3人か4人揃わないと打てないからそんなに依存性ないかなぁと思ったのもある。(言い訳)

    さっぴエンス全史

    前回のおさらい…
    ヒトのギャンブル好きな性格は、狩猟採集時代から種の保存のために適応してきた産物だったよね!


    馬とバンドマンと私

    ギャンブルつながりの余談ですが、

    私はその後、競馬にもハマりました

    その時付き合ってたバンドマンの彼氏が競馬好きだったの。

    (あ、鷹村とはすぐに別れたの!ハハハ!)

    冷めっぴー

    麻雀も競馬も、
    男に影響受けすぎだろ

    競馬は基本土日しかやってなくて365日できるわけじゃないし、そんなに依存しなさそうだしまぁいっかなぁって。(言い訳)

    いえ、純粋に面白かったんです、認めます。

    当時、関西(彼氏)と九州(私)で遠距離恋愛してたから、私はよく九州から夜行バスに乗って関西の彼氏に会いに行ってたんです。

    普段なかなか会えない分、会えた時の喜びはそれはそれは大きいよね。

    遠距離恋愛の醍醐味かな。

     

    と、恋愛を語ると見せかけて、

     

    競馬の話ね。

     

    関西に遊びに行った時には、

    阪神競馬場や京都競馬場によくレース観戦に行ったよ。

    G1レースのファンファーレが始まった時の、

    あの高揚感…!

    大観衆の歓声…!地鳴り…!熱狂の渦…!
     

    参考映像:G1安田記念のファンファーレの様子
    ※音量注意です

    コロナ前の密密懐かしや…

    このファンファーレの作曲者は、
    故・すぎやまこういちさん。

    発走までのワクワク感!!!

    血わき肉おどる!!!

    たまらんのう!

     

    一緒に競馬観戦に行き、

    遠距離で愛を育んだバンドマン彼氏が、

    実は今の夫

     

     

    ……ではない。


    まだ馬の話やめないよ。

    大学3年から4年にかけて、就職活動で東京や大阪に行った時には、張り切ってウインズの場所を調べてひとりで乗り込みました。

    WINS(ウインズ)とは
    従来の場外勝馬投票券発売所をファンにより親しみやすくするために、1987年度から名づけられた愛称。WINning SpotとWeekend IN Spotの2つの意味から、呼びやすく、覚えやすい名をと命名された。(JRA 競馬用語辞典より)

    場外勝馬投票券発売所とは:
    競馬が開催されている競馬場以外で勝馬投票券を発売する場所のことをいう。短縮して場外馬券発売所、場外馬券売場、場外馬券場、また単に場外とも呼ぶ。(Wikipediaより)

    約15年前の当時も、競馬場に行くとまぁまぁ女子やファミリー連れが増えてきてたけど、場外はまた別世界

    来てる人、120%ギャンブル目当てだからね。

    基本、タバコくわえてえんぴつ片手に競馬新聞見てるオッサンだらけ。

    そこに何をどう間違えたのか、

    リクルートスーツの女子がひとり。

    完全に浮いてるよね。

    入学式の白鷺(しらさぎ)といい勝負かな。

    就活中のリクスー女子が競馬新聞とモニターとにらめっこしてんだよ。

    頭おかしいよね。

    ウマっぴー

    ちなみに、好きな馬はハイセイコーとサイレンススズカ♪
    現役で応援してたのはダイワスカーレットだよ!

    大逃げサイレンススズカ(武豊)の名レース
    3分ほどで終わるのでぜひ

    鷹とバンドマンのその後

    まだ馬の話やめないよ。

    余談の余談だけどさ、

    我が家は子どもたち連れてたまに競馬場に遊びに行くの。

    JRAの競馬場行ったことない子持ちのみなさん、是非お近くの競馬場調べてみて!

    ご存知の方もいると思うけど、ファミリー層に来てもらうために、めちゃくちゃイベントとか遊具とか充実してるの!

    ふわふわドームとか、プリキュアショーとか、ポニー乗馬体験とか、女子限定のウマジョカフェでドリンクサービスとか♪

    ウマっぴー

    入場料は、子どもは無料で
    大人は200円♪

    レースを開催してない日は、大人も無料で入れて公園で遊べるよ!

    今は残念ながらコロナ禍で営業縮小してるけど、元通りになったら本当オススメ!

     

    で、コロナ前の2019年、我が家が京都競馬場に菊花賞を観に行った時の話。

    楽しそうなミニSL機関車のイベントやってたから、子どもと私で列に並んでたの。

    すると、

    うちの2つ前に並んでる人……

    ん?

    見覚えのある横顔……

     

    バンドマンの元カレやないか!!!!!

     

    彼、うちの上の子と同い年くらいの男の子と和やかに笑ってましたわ。

    今神戸に住んでるとは風の噂で聞いてたけど、いや、京都競馬場まぁまぁ遠いぜ!?

    ピンポイントでその日に来てて、ピンポイントで同じミニSL機関車に並んでるとかすごくない!?

    世間は狭いね~!!!

    慌てて私ちょっと顔隠し気味にして、

    たぶん向こうには気付かれずに済んだんだけど、

    その後、芝生広場でピクニックしてたら、向こうもうちの目の前にシート敷いてお昼食べ始めたからね。

    焦っぴー

    京都競馬場の芝生広場、
    かなり広大だぜ?
    なぜよりによってそこにした?

    お昼ごはんの間ずっと、元カレ家族のほのぼのピクニック風景を見て見ぬふりするという謎の修行体験

    お互い家族と一緒だったし、その元カレとはかなり気まずい別れ方をしたので、話しかける勇気はありませんでした!

    偶然って怖いね。

    汗っぴー

    みんなも、思わぬ相手と思わぬ再会して冷や汗かいたことある?


    恋は盲目。

    Love is blind.

    私にもそんな時代があったわけです。

    好きな人に染まる。

    好きな人が好きなものなら、敬遠していた麻雀だって競馬だってやる。

    ま、人間なんてそんなもんね♪

    大人っぴー

    女心は秋の空♪

    ちなみに、ボクシング鷹村とは数ヶ月後に泣きながらも円満に破局するわけだけど、

    彼はその後、有言実行で東京へ出て、総合格闘技の選手としてそれなりに活躍したっぽい。

    今は結婚して子どももいて、何かの社長やってて人生楽しんでるって。(子どもの写真送ってきた)

    昔の私は、彼の夢物語を聞きながら正直「大言壮語だなぁ」と思ってしまってた部分もあったんだけど、真剣に理想を語る人に対して失礼だったなと反省。

    成し遂げたい夢がある人は、言葉にして語ると行動が伴って実現しやすいって本当なんだな~と思ったよ!

     

    大人っぴー

    我が元カレ達に、幸あれ

     

    つづく

     

     

     

    おそっぴー

    はよ雀荘潜入せい

     

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